近鉄特急・観光地のノンステップ路線バスを事前に予約 シュックル(手動車椅子)2名で

 

伊勢志摩を電車とノンステップ路線バスと観光船でバリアフリー観光旅行こころみました

車椅子電車評論家

アシトド松井

後 編

実は三重県・伊勢志摩は平成4年(1992年)に著者が車椅子利用者になって初めて職場の仲間と訪れた観光地で、たいへん懐かしいところです。当時から「近鉄」さん車椅子用のスロープ通路の設置などを熱心にやってくださっていたことや、また大勢の職場なかまが介助者がいてくださったこと、車椅子から落ちると自力で起き上がれない私のために和室の部屋にダンボールー箱でベットをつくってもらったり、観光は鳥羽水族館だけだったりしたものの、私の車椅子旅行の原点になった場所といえるでしょう。
今回平成25年(2013年)はシュックル(手動車椅子)利用者2名・介護者なしで、伊勢志摩のバリアフリー観光旅行をこころみます。後編は観光船に乗って鳥羽湾クルーズとイルカ島に上陸、そして鳥羽城跡をめぐります。後編は車椅子を担ぎ上げてもらう場面が多くあり、介助をしてくださった方に方にご負担をかけてしまいました。観光施設の皆さん、そして地元案内板等で伊勢志摩バリアフリーツアーセンターの方にお世話になりました、ありがとうございました。


2013年著者が訪れた時点の状況でのレポートです、最新の状況につきましては是非ご自身の車いすでお確かめいただければ幸いです。


近鉄で鳥羽に戻り鳥羽湾めぐりの観光船に乗ります

著者はJRで鳥羽駅に向かいたかったのですが、JR鳥羽駅(ホームから一般道に平坦に出られるのだが、山手側)は車椅子だと鳥羽湾方向に行くためには、階段があるため一般道を大きく迂回しなければなりません。さすがに体力が持たないと判断して楽に乗降できる近鉄を利用することになりました。

近鉄伊勢市駅・鳥羽駅ともにご案内済みですので、ここは簡単に

近鉄・伊勢市駅から鳥羽駅そして鳥羽マリンターミナル観光船乗場をめざします。

車内の乗客の方ともすぐに打ち解けて鳥羽のバリアフリー情報を収集中 なわけない

近鉄鳥羽駅のエレベータを使って一般道路へ

鳥羽駅から鳥羽マリンターミナル・観光船のりば にむかいます

観光船の出発時間はあとわずか鳥羽の街を急いで移動

鳥羽マリンターミナルにつきました

時間がなくてターミナルの取材は出来なかったけど、案内板を見る限り、車椅子・オストメイト対応トイレもあるようです。

観光船のりばは浮き桟橋なかなかいいじゃない

観光船のりばは、良く出来ているのだけど。船に乗るときには段差があって車椅子で、担ぎあげてもらうことに。

観光船のりばは

左の写真は1993年に鳥羽湾めぐりの観光船に乗ったときの写真、バリアフリーが進んでいなかった当時、この観光船は超おすすめの車椅子旅行でした。当時も担いでもらったようです。でもほんの少し段差の解消した渡し板を作っていただければと思うのは、完全アクセス主義(注1)の弊害なんでしょうか?

(注1)完全アクセス主義・・・・車椅子で全く介助を受けずに移動しようという考え方。この考え方に縛られて行動範囲が著しく狭められてしまったり、路線バスが全てノンステッバスに見えてしまう病気を完全アクセス病という。

2013年著者が訪れた時点の状況でのレポートです、最新の状況につきましては是非ご自身の車いすでお確かめいただければ幸いです。

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鳥羽湾めぐりの観光船でイルカ島に上陸します

観光船内で一息・車椅子対応トイレはありませんでした。

   誰かが餌をあたえているようでカモメがついてきます。

著者は内陸育ちなのでこういう景色をみると旅行気分が満喫できます。

イルカ島上陸

観光船の渡し板はもう一工夫して段差をなくしてほしいよ

浮桟橋だから潮の満ち引きによってスロープが急になったり緩やかになったりします。

イルカ島(伊勢湾にある)を散策、イルカのショーをみせてもらいます

まずイルカ島を散策

最初にもっとも重要な車椅子対応トイレを確認(普通の車椅子対応トイレでした

海がよく見えます

トンネルで反対側に出られるらしい

トンネルをぬけるとそこは海水浴場だった。砂浜なので普通の車椅子では移動は無理。

山頂へは普通のリフトの移動で、車椅子ではあきらめました。

イルカのショーをみせてもらいます

  この日は海水温がひくくて、イルカ池ではショーをおこなっておらず、階段を上らなければならないフリッパーールでおこなわれているとの案内が。

イルカ池でのイルカショー
(1993年の訪問時に撮影)

階段を担ぎ上げてもらってフリッパープールでイルカショーを見せてもらいました。

小さなールでしたが、楽しいイルカショーをみせてもらえました。

ところがショーが終わって再び車椅子を担ぎ下ろしてもらったときのことです。

イルカショーの帰りも同じ階段を担ぎおろしてもらうわけですが、体重が重くなっている、私を介助していただいた方の1人が、腕や腰を痛く感じられている様子に気づいてしまいました。介助をしていただいた方の身体に、大きな負担をかけることがあってはいけません(これは私のここまでの経験による仮の結論です)。親切にしていただき、楽しいショーをみせていただいたのですが、階段を担いでもらったのは今の体重を考えれば浅はかだったと思えました。

2013年著者が訪れた時点の状況でのレポートです、最新の状況につきましては是非ご自身の車いすでお確かめいただければ幸いです。

イルカ島を後にします

船の段差を担いでもらってスローを押してもらって

鳥羽湾クルーズ船よってくる海鳥

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伊勢志摩での最後の食事は磯焼きにしました
お店には入れるかは前日問い合わせました。また混まないうちに少し早めにお店に入りました。

最初にもっとも重要な車椅子対応トイレを確認をかねて周囲を散策、お店の前の公園に普通の車椅子対応トイレをみつけました。

護岸に急なスロープがあり、歩行者の方に助けてもらって鳥羽の街へ、そして磯焼きのお店に

店の前の公園に車椅子対応トイレをみつけて安心

車椅子利用者2名で磯焼きにありつけました

食べてるうちにも店内はどんどん混んできる、人気のお店かも?早く来て正解

お店の人ともうちとけて得なお方

2013年著者が訪れた時点の状況でのレポートです、最新の状況につきましては是非ご自身の車いすでお確かめいただければ幸いです。


車椅子でお城めぐりの旅行もみてね

食事のあとは車椅子のいい加減に城マニア
水軍大名・九鬼嘉隆の鳥羽城跡をめざします

ところが鳥羽城跡にあるはずの石垣への行きかたがよくわからない、急な石段に阻まれ、相橋といわれる城内への橋跡の公園をみつけるのがやっと。これで満足するの車椅子でのは鳥羽街めぐり?

城山公園の入り口にたどり着いたのだけど手動車椅子では登れませんでした。たった二日の旅でぼちぼち体力の限界。坂の上のほうの石垣はお城のものなのでしょうか?

相橋門(相橋にあった城門)の跡は公園になっていました。

鳥羽のまちを車椅子で巡っていると「鳥羽みなとまち文学館」というところをみつけました

見た感じはバリアフリーとは思えない町屋だったけど。

入り口が段差解消されていたので入れてもらうことに。

すると奥まで木をならべてつくった平坦な通路やスロープで見学させてもらえました。

車椅子対応トイレこそありませんでしたが、文学館内部は岩田準一・乱歩・夢路の展示があり、小学生のころ「江戸川乱歩」の少年探偵団「怪人二重面相」などの探偵小説をよんでいた著者には懐かしいところでした。鳥羽城跡のはっきりわかる古い鳥羽市街の写真や、海女さんのビデオなどもみせていただきました。また文学館の方に車椅子でも鳥羽城の石垣が見える場所の行き方を教えてもらえました。予想外の旅の収穫でした。プチバリアフリーの穴場的観光施設といった感想をもちました。

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新情報を得たので車椅子で再び鳥羽城跡をめざします

文学館の方に教えてもらった道をたどると壮大な石垣がありました。近年再建されたものではないかと思われるのですが、著者の体力、肩の状態(身体の変形のため片方の腕にばかり体重がかかるため片方の肩ばかりを痛める)を考えると、本丸に向かうのは無謀だと思い、車椅子での鳥羽城観光はここまでにすることにしました。


鳥羽城をあとにしてJR鳥羽駅に向かい帰路につきました。

鳥羽駅への帰りにこのような案内板をみつけました。車椅子対応トイレの位地や、階段をさけて駅にいく方法が分かります。

近鉄・鳥羽駅に帰ってきました。駅前の商業施設「鳥羽一番街」のなかにある、伊勢志摩バリアフリーセンターに立ち寄りました。近鉄特急列車に乗る直前に雨が降り出しました。臨機応変な対応をしていただいたり、ご負担をおかけしたり、車椅子の旅はいろいろな思いの人たちと交わりながら、つづけられるものなのかもしれません。

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画面上ではございましたが、最後まで伊勢志摩車椅子旅行をご一緒いただきありがとうございました。たぶんこの車椅子旅行記もすぐに時代遅れになってしまうでしょう、でもご覧いただいた方には古くても情報を得ていただいた分だけ、より広範囲な車椅子伊勢志摩旅行を楽しんでいただける可能性があります。また著者と同じ場所を巡る必要も全くありません。ご自分の障害レベルと体力、そして趣味にあった伊勢志摩めぐりをしていただければ、大変嬉しくおもいます。


アシカなくてもトドまらずはオストメイトと車椅子利用者のバリアフリー観光旅行応援サイトです