車椅子で電車・ケーブルカー・路線バス(ノンステップバス)を乗り継いで

高野山・奥の院(和歌山県)に行くことができました
                                      
 後編

車椅子電車評論家

アシトド松井

車椅子での高野山参拝の旅の後編です。高野山に車イスで旅行出来たことは夢のような現実ですが、車いす旅行仲間何人かで旅が出来るようなレベルにはありません。このページでご紹介したことで、大勢の車椅子利用者が一度に利用しようとされることを、私自身の置かれている立場からは矛盾するようですが危惧しています。またノンステップバスの利用についても常にこのような配慮をいただけるとは限りません、そういう事情をご理解していただいたうえで、画面上ではございますが車椅子で行く高野山参拝の旅を私と続けていただければ幸いです。
このページの記事は平成21年に著者が高野山を訪れた時点での状況で記載しています。


ケーブルカーの高野山駅から奥の院前まで一台しか配備されていなかったノンステップバスに乗車させてもらうことになりました。この日は参拝者が多く「状況に応じて随時運行」していただいたことも幸いしたのではないかと思っています。

車椅子の著者を高野山・奥の院へと導いてくれた。南海りんかんバスのノンステップ車両

南海りんかんバスの車椅子用スロープ設置設置サービスのようす


車内での車椅子スペースは一台分でした。
(平成21年撮影)

実は著者は健常者時代に高野町の宿坊で10日間ほど過ごした経験があり、この町は思いでの多い場所です。そして車椅子生活になって再度訪れる機会があろうとは想像すら出来ませんでした。

ノンステップバスの車窓から高野山へのようすを、秋の到来は早くすでに紅葉が

車窓からは懐かしい高野町の風景が、広がりました。

奥の院前のバス停に到着、バス停近くと高野町中心部で車椅子対応トイレのマークをみつけましたが、実際に使用していませんので詳細は不明です。

奥の院入り口

石畳も簡易電動で難なく移動できました このようなスロープ通路でさりげない配慮がされていました。
弘法大師の近くで永久の眠りにつきたいという信仰から、大名の墓など多くがあり、今も増え続けているようです。

 

 

途中のお堂の裏側に車椅子対応トイレをみつけて、使用させてもらいました

高野山のこの雰囲気は著者が以前あじわった霊場の記憶そのままのものでした。

スロープ通路が設けられて車椅子の参拝には問題ありませんでした。

著者が車椅子生活になった頃はスロープやエレベーター(それも荷物用)のある駅や街中で車椅子対応トイレを見つけ出すことは至難の業で、ようやく車椅子対応トイレにたどり着いても鍵がかかっていたり、倉庫代わりに使われていたりの連続でした。せめて各都道府県の県庁所在地の駅にエレベーターがあったらいいのになあ、などと思い描いていた程度でしたので、まさか生きている間に再び高野山へそれも公共交通機関を利用しての参拝ができるとは想像することもできませんでした。

著者がケーブルカーに車椅子を担ぎ上げてもらうことなく利用できたのは、箱根に次いで二例目、ただ勾配が比較的緩やかでスロープ状の乗り場であった、箱根とは比べものにならない急勾配の階段の乗り場を車椅子利用者に配慮していただいたことには感謝の言葉もございません。今回の参拝に同行していただいた方、配慮をいただいたバス・鉄道・ケーブルカーの運転手さん駅員さん、そしてバリアフリー化にご尽力いただいた全ての皆様に思いをはせてこの参拝の旅をおわらせていただきます。