東京の車椅子アクセス概況

著者は平成5年に千葉県・船橋市に住んでいたことがあり、東京の状況はある程度把握しているつもりでし た。近畿よりも首都圏の鉄道の方が車椅子での利用が困難、これが当時の認識でした。ところが「アクセス 東京」のご案内で平成8年・9年・10年と連続して取材旅行を行い状況が激変していることに驚きました。JR 山手線を中心にエスカルが急速に導入され、それがエレベーター設置へとグレードアップ、そして車イス用 渡し板の普及・さらにホームの一部がせりあがり車両との隙間と段差を解消してくれるラクープの登場とバリ アフリーの言われる前の首都圏で階段を担ぎ上げてもらってばかりだった著者には隔世の感があり変化の 激しさに情報がすぐに陳腐化してしまう恐ろしさのようなものも感じています。著者が知り得たすべてのアク セス情報を発信することはこのような図解形式のホームページでは不可能ですので、きわめてシンプルな内 容にさせていただきます。この文章を作っている間にも次々と新しいエレベーター等が設置されている事でし ょう。バリアフリーへ動き出した東京、本当に変化のはやい街です。

東京主要駅のアクセス解説
車椅子ユーザーの視点から見た東京駅図鑑(平成9年から平成25年にかけて)

<JR東京駅>お上りさんという言葉を鉄道での旅ということに限定すれば、東京駅が最終目的地ということに なります。渋谷へ行こうと新宿に出かけようと、この駅を発車する列車は全て下りです。地元のデンクル(電動 車椅子の略称)ユーザーの話しによると全てのホームにエレベーターでたどり着けるとのことでした。ただし一 般乗客も利用できるものや、荷物用のもの、エレベーターにたどり着くには特別な通路をつかわなければなら ないところ、駅の一般改札口からはずいぶん離れている建物から入るところもありました。
一度入場券だけで駅構内の探検をしてみたいと思っているのですが、高架の新幹線・山手線・中央線ホーム (中央線ホームなどは煉瓦づくりの東京駅の屋根の上にある感じ)から地下5階にある総武横須賀線ホーム まで、健常者でも乗り換えに20分から30分程度かかるところも有ります。本当は車椅子でも単独行動したい のですが、東京駅では駅員さんの誘導・案内を受けなければ動けないのは規模と複雑さゆえにいたしかたな いのかなあというのが感想です。平成15年に訪れたところ、山手線・京浜東北線ホーム等に一般乗客用エレベーターが設けられていました。丸の内南口に身障者用待合室(室内に車椅子対応トイレ有り)があり東京駅 から乗車する場合そこが助役さんとの待ち合い場所になります。平成25年に訪れたところ、東京駅全体の改修工事がほぼ終了したようで、一般乗客用エレベーターでの移動が主になっていましたが、意外とスロープを上下しなければならないことが多く、また人ごみでの移動は大変でした。帰りの新幹線への誘導はレンガ造りのある業務用通路を使わせてもらえました。

東京駅の荷物搬入用&車椅子通 路にはレンガのトンネルの箇所 があり幻想的な雰囲気でした。新 幹線を利用する場合この通路を 利用することが多いと思います。
(平成13年撮影)

レンガのトンネルの壁面に 在来線ホームにつながる エレベーターがある。
(平成14年撮影)

著者を案内してくれるため 身障者待合室(丸の内南口側)に集合してく れた東京の車椅子利用者仲間。このあと多摩・町田・ 八王子に取材に向かう
(平成9年撮影)

平成14年には南通路で一 般用エレベーター設置工 事が始まる。
(平成14年撮影)

完成した東京駅・山手線・京浜東北 線ホームへのエレベーター。色によ って路線が分けられています。例え ば山手線は黄緑色。
(平成15年撮影)

京葉線・地下ホームのエ レベーター。京葉線は地下のホームの位地が有楽町駅との間ぐらいの場所に有り乗換には時間がかかります。
(平成15年撮影)

(ご注意)平成21年時点で東京駅はいくつかの場所で改造工事が続いており、この記事の状況とは異なった状況になっています。

平成25年に訪れたところ東京駅が新しくなっているということで、久しぶりに丸の内南口にいってみました。(2013年撮影)

車椅子待合所がつくられて

内部のトイレも車椅子・オストメイト対応フル規格になっていて

JR東日本とJR東海との連絡用にふたつのインターフォンが設けられていました。

従来の丸の内南口の身障者待合室と同じ位地だと思われます。(2013年撮影)

東京駅丸の内南口から業務用通路をとおって東海道新幹線ホームに行くようす

駅員さんに誘導してもらい、最初はレンガの壁の幻想的な通路ですが。、長いスロープを下るとスーパーの荷物搬入場や物流センターの倉庫みたいな雰囲気のところになって、業務用エレベーターをあがってホームに到着。

著者の私見ですが一部のホームのエレベーターは業務用通路を横切らざるをえず、事実上「車椅子利用者専用エレベーター」になっているのではないかと考えています。

車椅子を使い始めて年数のたっておられない方には、想像がつかないかもしれませんが、東京駅の業務用(荷物用)エレベーターは、駅舎からずいぶん離れたところにもありました。たとえばディズニーランドに行くのに新幹線から京葉線に乗り換えようとすると、東京駅をあとにして、国労会館の横をとおって、どこかわからない建物のエレベーターや隠しエレベーターを何回か乗ったら京葉線ホームの端にたとりついた。なんてこともありました。

実は東京駅南口には工事のときだけワイドなスロープ通路がありました。

最初はいっかくだけスロープ通路

北陸新幹線(長野新幹線)のホーム増設工事のときは広いスロープ通路に(1993年撮影)

そして折り曲げて坂を緩やかにしてくださって、目立たぬようにひっそりスロープ通路に(2013年撮影)

全てをスロープにするのは伝統的建造物としては無理で、目立たぬように設置するしかなかったんですかねえ、1993年ごろには車椅子にやさしい全てスロープ状だったのに・・・。
それは誤解きっと重機にやさしいスロープ通路だったんだとおもうけど。修理がすんでもスロープ通路が残っていたんだから感謝しなくっちゃ!

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